ウォッシュタイプの基礎知識と美味しい食べ方
ウォッシュタイプの基礎知識
外皮を塩水や酒で洗いながら熟成させるチーズを「ウォッシュタイプ」といいます。チーズの表面にリネンス菌などを繁殖させて、外側から中心に向かって熟成が進みます。菌の分解力や匂いが強いため、塩水やビール、ワイン、ブランデーなどのその土地のお酒を使って定期的に洗い、菌の量を調整してあげています。洗う材料によっても風味や味に変化が出るので、個性的なチーズに仕上がるのです。
ウォッシュタイプチーズの特徴は、やはり独特の匂いです。熟成させる際に付けるリネンス菌は 納豆菌と同種の菌で、強い匂いと風味を生み出します。熟成が進むにつれ、この風味は更に強くなりますので、通向きのチーズとも言われています。
とは言っても、実は匂いが強いのは表面だけで、中身は比較的マイルドでまろやかな風味で食べやすいため、匂いが苦手で食べていなかった方にも一度挑戦していただきたいチーズです。匂いが強い外皮部分は外して食べてもOKです。
秋冬限定チーズ「モン・ドール」
そして秋から冬にかけておすすめなのが「モン・ドール」です。フランスとスイスの国境付近、黄金の山の意味を持つモン・ドールの一帯で8月15日~3月15日という“期間限定”で作られています。 フランス産は「モン・ドール」、スイス産は「ヴァシュラン・モン・ドール」と呼ばれます。
このチーズはモミの木の一種であるエピセアの樹皮を側面に巻いて固定させ、エピセアの棚の上で洗いながら熟成、そしてエピセアの木箱に入れて出荷されるというエピセアづくしの独特の工程で製造されているのです。そのため、やわらかく濃厚なミルクの味わいに、エピセアの爽やかな香りが感じられ、上品な味わいです。
食べる時は木箱に入ったままチーズの表面を薄く切りとり、スプーンですくってバケットなどにつけていただきます。パーティや記念日などにも大活躍のチーズですので是非お試しください。
おすすめの食べ方
食べる30分前には冷蔵庫から出して室温に戻しておきましょう。
その際、包装紙をはずして空気に触れさせると、本来の風味が蘇ります。そのまま食べてもおいしく、またブドウやキウイなどのフルーツやジャムや蜂蜜と合わせて、また、バケットやライ麦パンなどに乗せてオードブルとしてもおすすめです。
加熱すると、また違った美味しさが楽しめますよ。
切り方のコツ
保存方法
乾燥に注意、密封しましょう!
匂いが強いものが多いので、他の食品に匂いが移らないよう、密封容器に入れて保管しましょう。